渡辺明九段の不戦敗を近藤誠也八段(右)に伝える立会人の堀口弘治八段(左)=2025年8月12日午前9時56分、東京都渋谷区の将棋会館、北野新太撮影

 日本将棋連盟は12日、東京都渋谷区の将棋会館で予定されていた第84期名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)2回戦で、渡辺明九段(41)が不戦敗になると発表した。渡辺九段から発熱による体調不良の申し出があったという。

 リーグ成績は、対戦相手の近藤誠也八段(29)が2勝0敗、渡辺九段が1勝1敗になった。

【将棋ライブ】渡辺明九段ー近藤誠也八段【第84期将棋名人戦・A級順位戦】

 前名人で永世竜王・永世棋王の資格保持者でもある渡辺九段は昨年5月、運動中に左ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂。12月から今年1月、4月から6月までと2度にわたって休場した。7月17日に復帰後、2勝1敗(未放送のテレビ対局は含まず)の戦績を残していた。

 今回の不戦敗はけがの影響によるものではなく、渡辺九段にとっては不運が重なった形だ。

 所司和晴七段門下の弟弟子でもある近藤八段は、対局室で不戦勝を告げられた後で「驚いたというか……まだ気持ちの整理がついていません」と語っていた。

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