叡王祝賀会に宮田一門の棋士が集結した。左から師匠の宮田利男八段、本田奎六段、斎藤明日斗五段、伊藤匠叡王=2024年9月15日午後6時57分、北野新太撮影

 将棋の伊藤匠(たくみ)叡王(21)の叡王獲得祝賀会が15日、都内で催された。

 4~6月に行われた第9期叡王戦五番勝負で同学年の藤井聡太名人・竜王(22)=王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に挑戦し、3勝2敗で初タイトルを獲得した。昨年から竜王戦、棋王戦で連続挑戦するも、1勝も挙げられなかった相手に「三度目の正直」を果たし、八冠独占を崩した。

 師匠の宮田利男八段(71)、兄弟子の本田奎六段(27)と斎藤明日斗五段(26)、妹弟子の伊藤真央女流2級(15)の他、地元支援者ら約100人が叡王を祝福するために集まった。

 伊藤叡王は「皆様の応援が力になり、藤井さん相手に全く勝てていなかったんですけど、叡王戦に奇跡的に星を集めることが出来て良かったなと思います」とあいさつし「何より三軒茶屋将棋倶楽部に通い始めてから16年、ずっと見守って下さった師匠に感謝を申し上げたいと思います」と宮田八段に謝意を伝えた。「口酸っぱく『25歳までお酒を飲むのは禁止』と言われて『またその話か……』と思うのですが、今思うと、教えを忠実に従ったから今の自分があるのかなと思います」。軽いジョークも交え、来場者を沸かせた。

 師匠孝行な弟子の前で、宮田八段は「もう伊藤叡王様です。本当によくやったと思います。タイトル奪取で大変な騒ぎでした。毎日のように取材が来て大変で。ヘトヘトでした」と目尻を下げていた。(北野新太)

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