将棋の増田康宏八段(27)が17日、東京都渋谷区の将棋会館で指された第50期棋王戦(共同通信社主催)挑戦者決定戦で斎藤明日斗五段(26)に勝ち、藤井聡太棋王(22)=名人・竜王・王位・王座・王将・棋聖と合わせ七冠=への挑戦権を獲得した。自身初のタイトル挑戦となる。
局後の増田八段は「タイトル挑戦のことを考えず、集中できていたと思います。藤井棋王はほとんどのタイトル戦で勝たれていますし、実績も全く違うので厳しくつらい勝負になると思いますけど、勝負事で必ず負けるということはあり得ないと思うので、少しでも相手の隙、弱点をついて指せれば」と語った。
1997年、東京都昭島市出身。森下卓九段門下。2014年、16歳で棋士に。17年、藤井四段(当時)が史上最多となる公式戦29連勝を達成した時の相手だった。若手棋戦の新人王戦で2度の優勝経験がある。順位戦では今期から上位10傑のA級に加わり、名人挑戦権を争っている。
棋王戦挑戦者決定戦は変則二番勝負。トーナメントを勝ち進んだ増田八段は2戦で1勝、敗者復活戦を勝ち上がった斎藤五段は2連勝が挑戦権獲得の条件だった。