将棋名人戦6年ぶりの千日手、藤井聡太名人「誤算があった」 永瀬拓矢九段が先手になり「一日制」で指し直し【第83期将棋名人戦第4局】=北野新太撮影

千日手となり、羽織を着る藤井聡太名人(右)と挑戦者の永瀬拓矢九段=2025年5月17日午後5時4分、大分県宇佐市の宇佐神宮、相場郁朗撮影

 藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第83期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局は17日、大分県宇佐市の宇佐神宮で指されたが、午後5時3分、61手までで同一局面が4度繰り返される千日手が成立した。1日目午後4時以降の千日手成立は、対局規定により当日ではなく2日目に先後を入れ替えて指し直す。通常、1日目の慣例である「封じ手」は行われない極めて珍しいケースとなった。

 名人戦での千日手は2019年の第77期七番勝負第1局の佐藤天彦名人―豊島将之二冠(いずれも当時)以来6年ぶり。当時も1日目の規定時刻以降の成立で2日目に指し直した。

 先手を永瀬九段、後手を藤井名人に入れ替え、18日午前9時からの指し直しとなる。成立後の取材に、名人は「誤算があり、千日手は先手番なので本意ではないですが、やむを得ない形にしてしまいました。新たな気持ちで頑張りたいと思います」と述べ、永瀬九段は「後手番は千日手を目指すのが自然。先後を入れ替えてもう一局ということで、限られた時間ですが(先手番の作戦を)考えたいと思います」と語った。

 研究パートナーでもある両者…

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