将棋の第81回学生名人戦（全日本学生将棋連盟主催、朝日新聞社など後援）が7、8の両日、東京都千代田区で行われ、慶応大2年の嶋村拓夢（たくむ）さん（21）が初優勝を果たした。全国の強豪が顔をそろえるトーナメントを勝ち抜いて頂点に立った。慶応勢の優勝は28年ぶり。
地区予選を勝ち抜いた選手ら32人が出場した。1日目を終えて4強に残ったのは、嶋村さんと京都大2年の南波祐迅（ちはや）さん（21）、立命館大2年の竹田健人さん（19）、前回優勝者で金沢大4年の國井大彰（ひろあき）さん（23）の4人。8日の準決勝で嶋村さんが南波さん、竹田さんが國井さんにそれぞれ勝ち、決勝で嶋村さんと竹田さんが共に初優勝をかけて対戦した。
竹田さんの向かい飛車に先手の嶋村さんが急戦を仕掛け、嶋村さんが攻めきるか竹田さんが受けきるかという展開になった。終盤、落ち着いた表情で考え込む竹田さんに対し、嶋村さんは髪の毛をかきむしりながら闘志あふれる姿で将棋盤に向かう。徐々に嶋村さんの攻めがつながり、図の局面を迎えた。
竹田さんが4三の角で8七の…
