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 第19回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)にアマチュア代表として出場している伊藤誠悟さん(22)が3日、東京都渋谷区の将棋会館で谷合廣紀五段(31)に175手で勝った。優勢を築いた後は手堅い指し回しで逆転を許さなかった。近年のアマのレベルの高さを示す結果となった。

 1次予選2回戦。谷合五段が得意の四間飛車を採用し、伊藤さんが居飛車穴熊で対抗した。谷合五段が攻める展開になり、図の局面を迎えた。

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図・△8六銀まで

 伊藤さんは△8六銀と打たれる手を「読んでいなかった」という。だが、その場で考えて指した▲8九玉が好手。7七の角のにらみを緩和する冷静な手だ。

 その後△8七銀成▲同歩△6八角成▲同銀と進んでみると、▲5四角や▲7四桂などの反撃手段が残る先手が優勢になっている。伊藤さんはここで手応えを感じたという。

 その後も谷合五段は攻めの継続を図ったが、伊藤さんは的確に受けて崩れない。最後は伊藤さんが谷合五段の玉を即詰みに討ち取り、1回戦の宮嶋健太四段(25)戦に続く勝利となった。「自分がまたプロに勝つなんて考えられません」

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対局を振り返る伊藤誠悟さん(右)と谷合廣紀五段=8月3日午後0時28分、東京都渋谷区、村瀬信也撮影

 伊藤さん自身、かつてはプロを目指す身だった。

 2014年、小学6年の時に…

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