京都国際―関東第一 優勝を決め、試合後に校歌を斉唱する京都国際の選手たち=有元愛美子撮影

(23日、第106回全国高校野球選手権大会決勝 京都国際2ー1関東第一=延長十回タイブレーク)

 両翼70メートル前後。京都市東山区にあるいびつな平行四辺形の校庭が、京都国際の原点だ。

 前身は京都韓国学園。野球部が創部した1999年に、外国人学校として初めて夏の全国選手権京都大会に出場した。

 1回戦で京都成章に0―34で大敗した。その時の京都成章の二塁手は、歴然とした力の差を、こんな言葉で振り返る。

 「前に打てば安打になるし、ただの安打が長打になる」。まともな野球になっていなかった。

 のちにこの二塁手は知人の紹介でコーチとして京都国際に呼ばれ、銀行員をしながら野球を教えることになる。1年後、24歳で監督になった。

 今大会、同校を初の決勝に導いた小牧憲継監督(41)だ。

 1年目の春、部員13人で府大会3位となり、近畿大会に出場。初戦で大阪桐蔭にコールド負けした。手も足も出ず、甲子園は夢のまた夢だと感じた。「それなら、社会人やプロで野球を続けられる選手を1人でも育てよう」と考えた。

 狭いグラウンドでも守備練習はできると、基本から徹底的に鍛えた。

 例えばボール回し。わざとワ…

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