不要になった備品を売却し、市の財源にしようと広島県三原市がフリーマーケットサイト「メルカリ」に公式ショップを開設した。第1弾として並んだ「商品」は、埴輪(はにわ)のレプリカなど45点(販売価格計11万3千円)。その売れ行きや、いかに。

 公式ショップがオープンした8月29日、売りに出された備品の一部が報道陣に公開された。

 ビートルズのレコード(2千円)、スピーカーセット(5千円)といった一般家庭にありそうなものから、埴輪のレプリカ(2千円)や座高計(5千円)といった特殊な品まで。統廃合された小学校や古い公民館にあったものだという。

 メルカリで公式ショップを開くのは、県内の自治体では4例目。一風変わったラインアップに見えるが、尾上広司・財産管理課長は「どんな品物が売れそうか、相場はどのくらいか、下調べはしてきました」と「目利き」に自信をのぞかせる。

 これまで、市の施設が移転や統廃合される際に出る備品は、業者に依頼して処分するか、売却しても無料同然の値段しかつかなかった。「少しでも有効活用できる可能性があるなら」と職員から声が上がり、メルカリで販売することになった。

 オープンから3日たった9月1日夜、メルカリをのぞいてみた。

 顕微鏡(2千円)や天体望遠鏡(4千円)など、学校の理科室で見かける備品に買い手がついていた。意外だったのが、埴輪や土偶のレプリカで13点中8点がすでに売れていた。

 昭和30年ごろに製造されたとみられ、廃校になった小学校で保管されていた「デルビル磁石式壁掛電話機」(5千円)は、動作確認をしていない「ジャンク品」だったが、これも購入されていた。

 「一見、家庭では使い道がなさそうなものでも、雑貨やインテリアとして欲しい人がいるようです」と尾上課長はみている。市はすでに第2弾、第3弾も用意している。売れ行きを見ながら随時追加していく予定だという。

 これらの商品について、市は発送をしておらず、購入者が市内の保管場所に直接取りに行く必要がある。

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