小林製薬の紅麴(こうじ)サプリメントによる健康被害問題の発覚時、取締役だった7人が実効的な対応策をとらなかったとして、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」は28日、7人に対して約110億円の損害賠償を求めて提訴すると発表した。健康被害の拡大を防止する義務を怠ったなどと主張している。
オアシスは昨年11月、創業家の小林一雅元会長と章浩前社長、山根聡社長、一橋大名誉教授の伊藤邦雄氏ら社外取締役4人の計7人を、提訴するよう小林製薬に求めた。同社は「法令違反は認められない」として拒否。オアシスは会社法に基づき、株主代表訴訟を起こすと決めた。同社は昨年12月時点で小林製薬株の10・10%を持っている。
創業者兼最高投資責任者のセス・フィッシャー氏は「取締役らの善管注意義務違反に対する責任の追求を通して、再発防止の徹底を促す」と文書でコメントした。