縄文時代研究の第一人者として考古学界を牽引(けんいん)した国学院大名誉教授の小林達雄(こばやし・たつお)さんが22日、肝臓がんで死去した。87歳だった。葬儀は近親者で行った。喪主は妻美津子(みつこ)さん。後日偲(しの)ぶ会を開く予定。
新潟県長岡市生まれ。国学院大で考古学を学び、文化庁文化財調査官などを経て母校の教授として教壇に立った。生まれ故郷の新潟県立歴史博物館長も歴任した。
縄文土器の複雑な文様や土偶などの造形に縄文人の思想と物語性を読み取り、多彩な食生活や文化活動に着目。縄文時代が単純な狩猟採集社会ではなく、世界にも類を見ない独自性と豊かさを持つ社会だったと主張した。
1990年、考古学の優れた業績に贈られる浜田青陵賞(大阪府岸和田市・朝日新聞社主催)を受賞。同賞選考委員会の委員長として学界の発展に尽くす一方、縄文文化の海外発信にも力を入れた。
主な著書に「縄文土器の研究」「縄文人の世界」、編著に「縄文文化の研究」「縄文ランドスケープ」「世界遺産 縄文遺跡」など。