小泉進次郎農林水産相が6日夜、石破茂首相(自民党総裁)と会談した際、総裁選の前倒し要求をめぐって8日に予定している所属国会議員の意思確認を回避するように進言したことがわかった。総裁選の前倒しは事実上のリコールにあたり、その実施を回避するには首相が8日の意思確認作業前に退陣するしかない。小泉氏は首相に対し、自発的な退陣表明を求めた格好だ。
党関係者が明らかにした。小泉氏は菅義偉元首相(党副総裁)とともに6日夜に首相公邸を訪問。菅氏は約30分間で退出したが、小泉氏はその後も残り、計約2時間かけて首相と協議を続けていた。
総裁選の前倒しには、所属国会議員と都道府県連の過半数の要求が必要となる。8日に自民党本部で総裁選前倒し要求の意思確認が行われ、総裁選実施か否かの結論が出る予定だ。党内では要求を集める動きが活発化しており、麻生太郎元首相が自派の研修会で要求する意向を表明。政府内でも鈴木馨祐法相や複数の副大臣、政務官が要求を公言している。
小泉氏は5日の記者会見で「党内が一致結束することが大切だ。とにかく政策が前に進む環境を実現しなければいけない」と主張し、「石破総理の中でも、党内がこのままでいいと思っているわけではないと思う。一致結束できるように責任があるとの考えを持ち、(今後の対応を)考えていると思う」と述べていた。
小泉氏は2021年、菅政権で環境相だった当時、菅氏に対して総裁選への不出馬を進言し、菅氏が退陣を決断した経緯がある。