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「現代の国語」で「羅生門」を扱う教科書が続々

 2026年度から主に高校1年生が使う教科書の検定では、評論や実用文を扱う「現代の国語」で小説を掲載する教科書が半数にのぼった。そのうちの1社、筑摩書房の「現代の国語」で編集委員を務めた紅野謙介日本大学名誉教授(69)に、小説の掲載に踏み切った理由などについて聞いた。

 前回の教科書検定は、今の学習指導要領下での最初の検定だった。文部科学省が指導要領の解説を説明したとき、「現代の国語」は実用文や評論を扱う科目で、小説を入れないと言っていた。

 ところが、小説を5点入れた第一学習社の教科書が合格し、他の会社が怒ると、今度は文科省は「小説を全部禁止しているわけではない」と言いつくろった。

 そんないきさつがあったので、各社が今回、小説にチャレンジすることは見えていたことだ。筑摩もそのうちの1社だった。

小説に時間割けない「言語文化」

 まず考えたのは、生徒のこと…

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