Smiley face
写真・図版
小4男児の死亡事故が起きた中学校のプール=2024年7月6日、高知市、亀岡龍太撮影

 高知市立長浜小学校4年の男児が昨年7月、水泳の授業中にプールでおぼれて死亡した事故で、高知地検は6日、同小の中村仁也校長(55)ら4人を業務上過失致死罪で在宅起訴し、発表した。

 他に在宅起訴されたのは、事故があった昨年7月5日に水泳の授業を担当していた山岡美和教頭(53)と野村由希子教諭(57)、栗林未鈴・元教諭(27)。地検は、いずれも認否を明らかにしていない。

 市教育委員会によると、長浜小のプールが故障で使えず、近くの中学校のプール(水深114~132・5センチ)で授業をしていた。

 起訴状によると、山岡教頭と野村教諭ら3人は、より深い中学校のプールでは、泳ぎが苦手な児童がおぼれる危険があると予見できたのに、浮き具を使用させるなどの対策を怠り、松本凰汰(こうた)さん(当時9)を水死させたとされる。中村校長は、3人への指導を十分に行わなかったとされる。

 この事故では、中学校のプール利用を了承したとして、当時の市教育長ら市教委幹部3人も業務上過失致死容疑で書類送検されていたが、地検は、いずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とした。「証拠を検討した結果、過失責任を認定するには至らなかった」としている。

 事故後に就任した永野隆史・市教育長は「児童のかけがえのない生命が失われ、教職員4人が起訴された事態を重く受け止め、再発防止の取り組みを続けていく」とのコメントを発表した。

 亡くなった松本さんの父親は報道陣の代表取材に対し、「これでスタートラインに立ったと思う。不起訴の3人については司法の判断だが、教育に携わる者としての責務は忘れないでほしい。今後の裁判を見守りたい」とコメントした。

共有