小学6年生と中学3年生を対象に文部科学省が今年度実施した全国学力・学習状況調査について、鳥取県教育委員会は県内の結果を公表した。全国の平均正答率と比べると、小6は国語、算数ともに差はほとんどないが、中3は国語、数学ともに全国平均を下回った。
調査は4月18日に実施され、小6は義務教育学校を含む117校の計約4300人、中3は義務教育学校や特別支援学校などを含む60校の計約4200人が参加した。
小6は、国語で思考・判断・表現を問う問題や記述式で回答する問題の正答率が前年度より向上し、算数も知識・技能を問う問題の正答率が向上。国語、算数ともに無解答率は全国平均より低かった。
中3は、国語で「書くこと」を問う問題の正答率が前年度より向上したが、「話すこと・聞くこと」「読むこと」は全国平均を下回った。数学は思考・判断・表現を問う問題や記述式の問題で正答率が向上したが、知識・技能を問う基本的な問題の正答率が低く、すべての調査領域で正答率が全国平均を下回った。
県教委は結果を受け、小6については「思考力・判断力・表現力などを高める授業の改善に取り組む学校が増え、正答率に成果が見られた」と評価。中3については「特に数学が課題」とし、「生徒がわかる・できる授業の実践に向け、ねらいを明確にした授業づくりや、教員の研修会への参加促進に取り組む」としている。
一方、児童・生徒に学習状況などを聞く調査では、「将来の夢や目標を持っている」「地域や社会をよくしよう」という意識が前年度より高まった。県教委は「各校が家庭や地域と連携しながら鳥取への誇りと愛着を育む『ふるさとキャリア教育』が推進されている」としている。(富田祥広)