高知県教育委員会は29日、小学6年と中学3年を対象にした「全国学力調査」の結果を発表した。県内で全国の平均正答率を上回ったのは小6の国語のみ。とくに小6の算数は前年度比で落ち込みが大きく、県教委は「危機感を持っている」とした。
小6の平均正答率は国語が68・5%(全国平均67・7%)で全国14位、算数は63・3%(同63・4%)で19位だった。
両科目とも現在の形式になった2019年度から一貫して全国平均を上回っていたが、初めて算数で下回る結果となった。昨年度の算数の正答率は64・7%(同62・5%)だった。
中3は国語が56・0%(同58・1%)で37位、数学は49・9%(同52・5%)で33位。2019年度から一貫して全国平均を下回っている。今回の調査では、文章の要約や図形の証明問題に課題が見られたという。小中学校課の蛭子穣課長は「問題を解いた際には何に着目して解いたのか、思考のプロセスを振り返りながら学習するようにして欲しい」と話した。
同時期に実施した全国学習状況調査では、導入から4年目を迎えたタブレットなどのICT機器について、小6の35・3%(同33・8%)、中3の34・9%(同28・7%)が、「ICT機器を活用することで、自分のペースで理解しながら学習を進めることができる」と回答した。長岡幹泰(もとやす)教育長は「多くの学校でICT機器の日常的な活用が定着しつつある」との談話を発表した。
全国学力調査は4月、県内の公立小中学校と義務教育学校、特別支援学校の計269校を対象に実施した。直前に豊後水道を震源とする地震で震度6弱の揺れに見舞われた宿毛市の小中学校(計12校)は後日に実施したため、今回の結果には含まれていないという。(羽賀和紀)