出生数と合計特殊出生率

 20日に投開票を迎える参院選をめぐり、少子化の原因が「いきすぎた女性の社会進出」にある、とする言説が出ています。参政党の神谷宗幣代表は公示日の街頭演説で、「どんどん働いてもらえば結構。けれども、子どもを産めるのも若い女性しかいない」と発言。若い女性に対し、「子どもを産んだ方が安心して暮らせるなという社会状況をつくらないといけないのに、働け働けってやりすぎちゃった」と持論を展開しました。

 働く女性が増えると少子化が進むのでしょうか。労働経済学が専門の山口慎太郎・東大教授に聞きました。

 ――少子化の原因を働く女性の増加に求める動きがあります。

 「つい先日もあるシンポジウムで、『女性の社会進出が少子化の原因だ。真実なのに誰も言えない』と話す高齢の男性がいました。ただ、働く女性の増加は必ずしも少子化と結びつくわけでないことが分かっています」

 「1970~80年代までさかのぼると、先進国では女性の就業率が高い国ほど出生率が低いという現象がたしかにありました。しかし、2000年ごろになると、保育所や育休制度の充実にともなって、相関がみられなくなりました。仕事と育児のどちらかを選ばなくてもよくなり、所得が増えて経済的な余裕ができたからではないか、と言われています」

親になることのハードルが上がっている

 ――日本でも保育施設の整備…

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