尹錫悦(ユンソンニョル)氏=2025年4月11日、東亜日報提供

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領は17日、自身のSNSを通じて、保守系与党・国民の力から離党すると表明した。離党の理由について「(与党の)大統領選勝利と自由民主主義を守るために今私ができる最善の道だ」と説明した。

 昨年12月に非常戒厳を出した尹氏は、憲法裁判所によって4月に憲法違反を理由に罷免(ひめん)された。大統領選に与党からは金文洙(キムムンス)前雇用労働相が立候補しているが、世論調査の支持率で進歩(革新)系最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)前代表に大きくリードを許している。

 中道層からの支持が必須と考える与党内では、尹氏を党員として抱えたままでは支持拡大は難しいという見方が広がり、党幹部が尹氏に対し離党を勧告すると表明していた。

与党「逆転のきっかけ」

 尹氏は「私が国民の力を離れるのは、自由大韓民国を守るための責任を果たすため」「金文洙に力を結集して」などと呼びかけた。国民の力の広報担当者は尹氏の離党について「団結と逆転のきっかけになると期待する」と述べた。

 与党側の動きに対し、共に民主党の広報担当者は「内乱首謀者(尹氏)と極右内乱候補(金氏)が決別したというアリバイを作るためのもの」であり「反省と謝罪は見当たらない」と批判。大統領選に立候補している保守系野党・改革新党の李俊錫(イジュンソク)氏も自身のSNSで「離党したからといって非常戒厳令の罪を消すことはできない」などと指摘した。

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