2025年6月28日、事情聴取を受けるためにソウル高検の庁舎に到着した韓国の尹錫悦前大統領=ロイター

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領=内乱罪で公判中=が昨年12月に出した非常戒厳をめぐり、尹氏に職権乱用などの容疑での逮捕状を出すかどうかを決める令状審査が9日午後、ソウル中央地裁で開かれることが決まった。聯合ニュースは、地裁は同日夜から10日未明にも逮捕状発付の可否を判断すると伝えている。

 尹氏は大統領だった昨年1月に内乱を首謀した容疑で逮捕、起訴された。3月に釈放され、現在は在宅で内乱罪の公判に臨んでいるが、逮捕状が発付、執行された場合は再び拘置所に収監されることになる。

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 非常戒厳の全容解明に向けて捜査している特別検察官が6日に逮捕状を同地裁に請求していた。逮捕状請求書によると、容疑には特殊公務執行妨害や虚偽公文書作成、職権乱用などが含まれている。文書には尹氏が在任中、自身の拘束を阻止するよう大統領警護庁の幹部に対し銃器を持って警備に当たるよう指示していたことも記されている。

 特別検察官は文書の中で「尹氏が事件関係者との接触を通じて自身に有利な方向で供述するよう説得する可能性が非常に高い」として逮捕が必要だと主張している。

 特別検察官によると、尹氏が非常戒厳を出す名分をつくるために北朝鮮に向けて無人機を飛ばすよう指示し、攻撃を誘発しようとしたという外患の容疑でも事情を聴いたが、捜査が進行中のため今回の逮捕状請求容疑には含めていないという。

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