韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領=内乱罪で公判中=が昨年12月に出した非常戒厳をめぐり、特別検察官が6日、職権乱用などの容疑で尹氏の逮捕状をソウル中央地裁に請求した。
特別検察官側は、容疑には特殊公務執行妨害や虚偽公文書作成、職権乱用などが含まれていると説明している。
李在明(イジェミョン)政権のもとで6月に設置された特別検察官は、尹氏が在任中に自身の拘束を阻止するよう大統領警護庁に指示した疑いなどについて捜査を進めており、6月28日と今月5日の2回、尹氏から事情聴取していた。
特別検察官は、尹氏が非常戒厳を出す名分をつくるために北朝鮮に向けて無人機を飛ばすよう指示し、攻撃を誘発しようとしたという外患の容疑でも事情を聴いたが、捜査が進行中のため今回の逮捕状請求容疑には含めていないという。
北朝鮮は昨年10月、平壌の上空に3回にわたって無人機が侵入し、体制批判のビラをまいたと主張。墜落した機体の残骸や飛行データの分析などから、韓国軍によるものだとの調査結果を発表していた。
尹氏は内乱を首謀したとして今年1月に逮捕、起訴された。3月に釈放され、現在は在宅で内乱罪の公判に臨んでいる。