韓国の尹錫悦大統領がいるソウル拘置所の前に詰めかけた支持者ら=2025年3月7日、京畿道義王市、太田成美撮影

 韓国のソウル中央地裁は7日、「非常戒厳」の宣布をめぐり、内乱を首謀した罪で起訴された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の勾留取り消し請求を認める決定をした。尹大統領側が捜査当局の手続きに問題があると訴えていた。検察側は決定を不服として即時抗告する可能性があり、釈放が確定するにはなお時間がかかるとみられる。

 尹大統領は1月15日に拘束令状に基づいて身柄を拘束され、19日に正式に逮捕された。検察は26日に起訴したが、弁護側はその時点では身柄を拘束できる期間を過ぎており、違法だなどと主張していた。

 拘束期間の算定の仕方をめぐり、弁護側と検察側の主張が対立していたが、同地裁は拘束期間が満了した状態で起訴されたと指摘し、拘束が適法と見ることは難しいとした。そのほかの点についても、手続きの明確性を期して疑問の余地を解消することが望ましい、とした。

 起訴状によると、尹大統領は昨年12月、憲法秩序を乱す目的で非常戒厳を宣布した。検察は尹大統領を内乱の「首謀者」と位置付けるが、尹大統領側は「内乱には当たらない」と反論している。

 尹大統領は国会の弾劾(だんがい)訴追も受けており、憲法裁判所が近く罷免(ひめん)の可否を判断するとみられている。

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