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ミツバチの巣箱から、蜂蜜が詰まった木の枠を取り出す様子=2024年6月22日午前、長野県松本市、小山裕一撮影
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 JR松本駅前の中心市街地にある井上百貨店(長野県松本市)の屋上でミツバチを育てて、蜂蜜を採取する「松本みつばちプロジェクト」が今年で10年目を迎えた。蜂蜜で地域活性化を目指した取り組みだ。井上百貨店が来年3月末で営業を終えるため、この場所での養蜂は一区切りになるが、来年以降も市の中心部で適した場所を探し続けるという。

 6月下旬、プロジェクトに参加する蜂蜜の製造販売業「信州蜂蜜本舗」(同県松本市)の深沢博登社長(45)らが今季初めて、百貨店屋上の巣箱からミツバチが群がった木の枠を取り出し、遠心分離機で蜂蜜を採り出した。今年は5月下旬に巣箱2箱を設置した。2箱で8万匹のミツバチがおり、今後も採取を予定している。

 百貨店屋上で採れた蜂蜜は糖度が81で、通常の蜂蜜よりも高く、濃厚という。百貨店を経営する「株式会社井上」の井上博文副社長(50)が味見をし、「後味がすっきりした、春らしい味になった」。深沢社長は「ビルの屋上は地上よりも気温が高く、風通しがいいのが作用しているのではないか」とみている。

東京・銀座の養蜂を参考に

 プロジェクトは2015年に…

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