市立小中学校の校則見直しについて説明する山口県宇部市の野口政吾教育長=2024年5月22日午前10時2分、宇部市役所、青瀬健撮影

 山口県宇部市教育委員会によると、2023年度から市立の全36小中学校が校則の見直しに取り組んだ。児童・生徒らが意見を出し、みずから案をつくる手法で、すでに35校で校則を改定。残る1校も最終手続きの段階になっている。時代に即した校則に改めることに加え、「自分たちの社会は自分たちの手で変えられる」という実感をもってもらう狙いがある。

 校則をめぐっては、生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう指導された大阪府立高校の生徒が提訴したことなどを機に、理不尽な「ブラック校則」が問題化。文部科学省も教員向けの手引「生徒指導提要」を改訂し、意義を説明できない校則の見直しを促し、児童・生徒や保護者の意見を聴いて校則を定めることが望ましいとした。

 宇部市の見直しもこうした流れに沿ったものだが、市教委によると、全校で見直しに取り組んだのは、県内では宇部が初という。また毎年、各校で校則について協議する仕組みをつくるといい、その点でも先駆的な試みだという。

 市教委は昨年4~5月、教職…

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