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展示ケースの前で作品について語る子どもたち=2024年4月16日、長野県泰阜村の村立学校美術館、高木文子撮影
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 天竜川を渡り、車で山あいの道をうねうねと登っていく。鳥のさえずりに思わず窓を開けた。集落に入り、小高い丘のうえに小学校が見えてきた。

 長野県南部の泰阜(やすおか)村は、山手線の内側ほどの広さだ。信号機やコンビニはないが、村で唯一の泰阜小学校には特別な空間がある。

 校内には木の香りがただよう。110平方メートル余の部屋に彫刻、油絵、日本画、びょうぶ、書など四十数点の美術品が並ぶ。目をひくのは、ブロンズの少女像の「偲(しのぶ)」。村出身の彫刻家・倉沢興世が贈った、戦前の帝展入選作だ。ここは村立の「学校美術館」なのだ。

1930年に美術館の源流

 放課後ににぎやかな笑い声が…

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