滋賀県守山市民ホール(守山市三宅町)が来春に結成する小学5、6年生による「ルシオール・ジュニア・バンド」(仮称)に、山形県立米沢商業高校の吹奏楽部からクラリネットやホルンなど9台の楽器が寄贈された。同ホールは「修理をして子どもたちが使えるようにしたい。楽器をいただき、感謝しています」と話している。
米沢商の吹奏楽部は1996年の全日本吹奏楽コンクールで銀賞を受賞するなど活躍した。しかし、同校は来春、米沢工業高校と統合し、米沢鶴城高校になる。このため、米沢商が廃校の記念品として制服を使った名刺入れづくりを企画。これを請け負ったのが米沢織を用いた小物づくりも手がける「清原」(守山市)だった。
清原大晶社長は市民ホール副館長の小森慎也さんと知り合いで、守山市民ホールがルシオール・ジュニア・バンドの結成に合わせて楽器を市民らから募っていることを知っていた。清原さんが米沢商吹奏楽部と市民ホールの間を取り持ち、廃棄される予定だった楽器の寄贈が決まった。
小森さんと清原さん、ジュニア・バンドを指導する予定の武藤千尋さんが8月8日、米沢商を訪れ、クラリネットやサックス、トランペット、コントラバスなどの楽器をもらい受けた。同校の吹奏楽部顧問は「古い楽器だけれども、子どもたちに使ってもらえたら、うれしい」と話していたという。小森さんは「本当に感謝しています。今後、バンドの写真を送るなど交流していきたい」と言う。
バンド結成に向け、市民ホールは10種類の楽器を募っており、米沢商の寄贈分も含めて約40台の楽器が集まった。しかし、クラリネットやサックス、ホルン、テューバが1~3台足りないといい、引き続き市民らから楽器を募っている。
市民ホールは守山を吹奏楽の街にすることを目指している。中高生による「ルシオール・ユース・ウインド・オーケストラ」を2年前に結成。市内には社会人による「守山市民吹奏楽団」もある。武藤さんは「小学生から大人まで吹奏楽を楽しめる環境をつくりたい。小学生には楽器の楽しさを感じてもらえたら」と話した。(松浦和夫)