東北新幹線の宇都宮―那須塩原間で立ち往生したE8系車両=2025年6月17日午後1時54分、栃木県、朝日新聞社機から、上田幸一撮影

 山形新幹線の最新型車両「E8系」4編成が相次いで故障し、東北新幹線との直通運転が中止されてから17日で1カ月となる。この間、新たに故障した1編成も含め、原因が判明していない。乗客が増える夏休み期間を前に、通常ダイヤに戻るめどが立たない、異例の事態となっている。

 JR東日本の喜勢陽一社長は15日の定例会見で、「大変なご心配とご迷惑をかけていることを改めておわびする」と謝罪。「原因をしっかり究明し、お客様に安心して利用してもらえるよう取り組む」と述べた。

 走行中のE8系4編成が相次いで故障したのは6月17日。車内の各機器に電力を供給する「補助電源装置」が故障してモーターの制御装置を冷やせなくなり、モーターが動かなくなった。さらに同月30日、東京都内の車両基地に停車中の別の車両で同じ補助電源装置が故障した。

 昨年3月にデビューしたE8系は計11編成あるが、故障した5編成はいずれも昨年10月以降に納車され、夏季に走るのは初めてだった。最初に故障した4編成はすべて同じ半導体部品が破損していた。残る1編成も近く分解検査される予定だ。

 これまでの調査で、半導体と電流を制御する基板がある特定の部品同士の組み合わせになると誤動作が起きることを確認。さらに、気温などの環境条件の影響を調査中という。

計900本以上運休、影響は25万人以上

 故障が見つかっていないE8…

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