山形県知事選は26日投開票された。朝日新聞の情勢取材によると、無所属現職の吉村美栄子氏(73)が、無所属新顔で自然塾代表の金山屯氏(84)を破って5選を確実にした。実質的な「信任投票」となる中、知名度を強みに支持を広げた。女性知事の5選は過去最多。県議補選酒田市・飽海郡区(被選挙数1)も同日、投開票された。
山形県知事選開票結果
当 318,364 吉村美栄子(73) 無現 (5)
17,794 金山屯(84) 無新
(確定得票)
午後8時ごろ、当選確実が伝えられると、陣営の山形市内の会議場では歓声が上がった。吉村氏は何度も頭を下げながら「何とも言えない熱い思いがこみ上げています」とあいさつした。昨夏の豪雨災害について「復旧・復興を一日も早く成し遂げる思いで一丸となって取り組んでいきたい」と語った。
一方で、報道陣の取材に「正直、何と戦っているのか実感として見えなかった」と17日間の選挙戦を振り返った。
吉村氏は昨年12月の県議会本会議で立候補を表明。7月の豪雨災害を挙げ、「災害に強い県づくりなどの重要課題に取り組む」と述べた。
告示1カ月前の立候補表明だったが、県内に張り巡らした後援会や県議会与党会派の議員、距離の近い首長らが選挙を想定した準備を早くから進めていた。
吉村氏は「県民党」を掲げつつも、各党に支援を要請。前回選挙を支えた立憲民主、国民民主、共産各党の県組織に加え、前回は対立候補を立てた自民党県連も初めて支援に加わった。県内の全市町村長も支援、連合山形やJAグループの政治団体「県農協政治連盟」が推薦し、「オール山形」(吉村氏)の盤石の態勢が整った。
一時は無投票での5選が濃厚となる中、告示2週間前に金山氏が出馬の意思を明らかにした。吉村氏は報道陣に「プラスに受け取って、できるだけ県内を回り政策を訴えたい」と話していた。
告示後は公務もこなしながら…