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公式練習に臨むドジャースの山本由伸=小林一茂撮影
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 開幕投手と発表されたのは、春季キャンプ序盤の2月12日。翌日に報道陣の前で口を開いたドジャースの山本由伸の言葉からは、その座を虎視眈々(こしたんたん)と狙っていたことがうかがえる。

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 「もし東京で投げることになっても全く問題ないようにしっかり準備してきた」「そこで開幕するということは分かっていたので」

 昨年はメジャーデビューの登板で苦い経験をした。韓国で行われたパドレスとの開幕2戦目に先発したが、1回5失点。「悔しさは大きいし、責任を感じる」。右肩の故障で6月からシーズン最終盤まで戦列を離れた。順風満帆とはいかなかった。

 それでも、ポストシーズンではチームを救うパフォーマンスを披露した。パドレスとの地区シリーズ最終第5戦では、5回無失点の快投で雪辱。チームのシリーズ突破に貢献した。ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦でも七回途中1失点で勝ち投手に。「世界一」の美酒を味わった。

 その全てが26歳の血肉となったのだろう。「いろんなことを整理して2年目に入れている。大きく変えたことはないけど、とにかく去年の経験が生きる2年目になるんじゃないかなと思う」

 今月10日のオープン戦では、最速約156キロを計測し、5回1失点と好投。プロ野球で3年連続「投手4冠」を獲得したときのような、自信にみなぎる快投をする予感は漂っている。

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