Smiley face
写真・図版
就任の記者会見をする荻野智夫・山梨県教育長=2025年4月2日、甲府市の県庁

 「長い教員生活、卒業式を迎えるごとに涙が出た。毎年、感動で泣ける仕事は、そんなにない」。荻野智夫・山梨県教育長(60)は県立高校の教育現場出身。2日の就任記者会見で、教員の仕事の魅力をそう強調した。

 就任に当たって①少人数教育の推進②生徒主体の学びの実現③先生を元気に、の三つの目標を掲げた。

 ただ、ネックは教員不足だ。今後3年で全公立学校に教育主事を派遣して働き方改革のためのワークショップを開くなどの施策に加え、個人としても教員の仕事の魅力を発信していくという。

 県立巨摩高時代に始めたサッカーを筑波大でも続けた。県立高校の教員となってからはプレーヤーと指導者の二刀流。教員による全国大会で3位になったこともある。

 趣味は読書で、県内の教員たちにも「たくさんの本を読んで見識を広めることが、児童・生徒に語る言葉に力を与える」と勧める。

 自身の愛読書として挙げるのはミヒャエル・エンデ著の「モモ」。清掃作業をするベッポおじいさんが、長い道路を掃除するとき、「つぎのひと掃きのことだけを考える」という仕事の進め方を引用。教室で生徒たちに「目の前のことに誠実に取り組むことが、より大きな課題解決につながる」と話してきたという。

共有