日本の国土の約7割は森林で、2022年までの5年間の平均で山火事は年間に約1300件発生している。焼損面積は約700ヘクタール、損害額は約2億4千億円に上り、特に冬から春(1月~5月)の発生が約7割を占め、注意が必要だ。
総務省消防庁などによると、出火の原因は、落雷など自然発火ではなく、人が関係するものが多く、刈り取った草木を自宅の庭や畑で焼却するなどのたき火(約3割)、河原や畑の野焼きなど(約2割)と続く。強い風で飛んだ火の粉が雑木林や山林に引火することが多いという。
1947(昭和22)年以降の山林火災の統計によると、74(同49)年の8千件超をピークに減少傾向だが、2023年も全国で1299件発生。8人が死亡し、焼失面積は844ヘクタール、損失額は1億2519万円に上り、月別でみると、3月(325件)が最も多く、4月(222件)、2月(132件)と続いた。
最近10年で最も大規模なのは、17年5月8日に岩手県釜石市で発生したもので、22日に鎮火されるまで、413ヘクタールを焼いたが、けが人や住宅への被害はなかったという。