いつも観光客が多くて混雑している鎌倉。でも、ちょっと足を延ばせば、静かな散歩道や紅葉の隠れた名所もある。鎌倉市二階堂など「奥鎌倉」とも呼ばれるエリアを歩いてみた。
JR鎌倉駅から鶴岡八幡宮まで徒歩約10分。境内を横切って横浜国大付属鎌倉小・中学校を左手に見ながら住宅街に入る。道が石畳になっていたり、古民家イタリアンや蕎麦店、カフェなどが点在したりしているが、観光客はまばらだ。
このあたりは鎌倉幕府がより身近に感じられる場所でもある。かつて源頼朝が御所を建て、公文所や問注所など武家政治の主要機関を置いた「大倉幕府」は、この辺りだったと考えられている。明確な位置や範囲は確定していないが、私立清泉小学校の角には碑が立っている。
頼朝の墓所とされる源頼朝法華堂跡も近い。
階段を上ると、石造りの層塔がひっそりとたたずむ。鎌倉幕府をつくった人物の墓としてはいささか寂しい。ここで「源頼朝会」と書かれた法被姿の一団に出会った。頼朝について勉強会を重ねながら地域活動を行う市民グループで、アジサイを植えに来たのだという。
「これが頼朝の墓?」そこで…
「あまりに地味で『これが頼…