山本千紘さん(右奥)の指導でテューバ演奏の基礎を学ぶ生徒たち=2024年5月11日午前11時24分、鳥取市掛出町の市民会館、奥平真也撮影
  • 写真・図版

 まずは基礎。そして、音楽の楽しさを――。吹奏楽の各楽器の専門奏者が基礎から教える「中学生のための吹奏楽クリニック2024」(鳥取市など主催)が、鳥取市掛出町の市民会館で11日にあった。市内7中学125人の吹奏楽部員らが参加した。

 吹奏楽部の顧問は、必ずしもあらゆる楽器に詳しいわけではない。クリニックは、専門奏者の指導を受けることで吹奏楽の底上げを図り、学校同士の交流も進めるのがねらいで開催された。鳥取県東部の楽器指導者らでつくる吹奏楽団「鳥取ウインドシンフォニカ」の25人が講師となった。

 会場にはホールだけでなく、会議室や控室など施設全体が使われた。事務室横の市民サロンではテューバ奏者10人が、小学校教諭で土日などに中高生にレッスンしている山本千紘さん(34)の指導を受けた。

 山本さんは楽器の構え方、椅子への座り方など基礎から教えた。「息が最後までもつように吹いて」などと、細かく説明。湖東中3年の岡野宏香(ひろか)さんは「テューバ専門の先生にほぼ初めて習いました。今まで納得できていなかった音が、今日はいい音で出せたと思います」。

 玄関近くのホワイエではフルート奏者10人が並び、島根大教育学部2年の坂根玖妃(たまき)さん(19)が講師を担当。「口の中の空洞を大きくするのが低音では大事」など、分かりやすい言葉で指導した。鳥取大付属中3年の平田実弥子(みやこ)さんは「基礎の部分を詳しく教えていただきました。他の学校の練習方法も知れて、参考にできます」と笑顔だった。

 鳥取ウインドシンフォニカ指揮者で元鳥取東高吹奏楽部顧問、竹田篤司さん(65)は「基礎が大事で、どう音を出すかをきちんと学んで欲しいが、最終的には音楽の楽しさを体感できるようになって欲しいです」と話していた。(奥平真也)

共有
Exit mobile version