旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.〈スマイルアップ〉)のタレント中心の誌面作りで、女性読者らの人気を集めてきたアイドル雑誌(通称「ドル誌」)「WiNK UP」が、今月発売の6月号で休刊する。昨年は同様の誌面作りをしていた「ポポロ」も休刊。世相を映し出す鏡として存在感を放ってきたドル誌に、時代の波が直撃している。
WiNK UP(部数非公表)は3月、公式Xで休刊を発表した。発行元のワニブックスによると「書店の減少、用紙代や配送費などのコストの高騰」に加え、「デジタル技術の発展により、タレント事務所あるいはタレント本人がみずから様々な形で情報発信することが可能になり、読者も出版物以外の媒体で情報を受け取ることが当たり前になった」ことが理由だという。旧ジャニーズ事務所は、2018年から段階的に所属タレントのSNSを解禁していた。
「諸般の事情」とのみ公表し昨年休刊した「ポポロ」の麻布台出版社にも理由を尋ねたが、回答はなかった。2誌の休刊の結果、旧ジャニーズ中心の通称「5大ドル誌」は月刊の「Myojo(1992年に明星から改称)」(2024年10月~12月平均部数15万部)と「Duet」(同4万5千部)、隔月刊の「POTATO」(同5万2千部)のみになる。いずれの雑誌も広告をほとんど掲載しない誌面作りが特徴だ。
そもそものルーツは総合雑誌
ドル誌の歴史をひもとくと、出発点は現在のようにターゲット層を性別で分けたり、特定事務所のタレントに大きく依存したりする形ではなかった。
そのルーツは45年創刊の「…