馬瀬川の急な増水で、岩場に避難していた男性が救助された(中央右)=岐阜県警下呂署提供(画像の一部を加工しています)

 梅雨前線が停滞し、南から湿った空気が流れ込んだ影響で岐阜県内は23日未明から、飛驒地方や中濃地方で激しい雨となった。岐阜地方気象台によると、降り始めから24時間の雨量(同日午後3時時点)は、高山市丹生川が199.5ミリで観測史上最大となったほか、同市高山で192.5ミリ、同市船山で189.5ミリ、同市栃尾で171ミリとなり、6月の観測史上で最大を更新した。

 高山市によると、この雨の影響で、主に旧高山市に水道を供給する2カ所の水源地で、水の濁度が上がり、取水を中止したという。市上水道課によると、両水源地から供給される上水道は、旧高山市の約2万4千戸が対象で、同日午後9時ごろには断水となる恐れがあるという。

 また、県のまとめでは23日の日中に、一時は高山市の3千人余り、郡上市の約400人に避難指示が出た。長良川の増水などのため、岐阜市の長良川鵜飼(うかい)、関市の小瀬鵜飼は23日、ともに中止された。長良川鵜飼ではこの日、全観覧船を貸し切ってのイベント「幽玄鵜飼」が予定されていた。

 下呂市馬瀬惣島の馬瀬川では増水の影響で、同日午前、可児市のアユ釣りの男性(63)が助けを求め、岩場に避難していたところを消防が救助した。男性にけがはなかった。下呂署によると、男性は早朝から友釣りにきていて、上流で降った雨で急に川が増水したため、動けなくなったという。署は、釣りなどレジャーの際は天候をよく確認し、無理をしないよう呼びかけている。

 梅雨前線は24日にかけて本州に停滞する見込みで、気象台は引き続き、大雨や土砂災害への注意を呼びかけている。

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