岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町で倒れた樹齢670年の大杉を素材にしてつくられた彫刻作品が、東京都中央区の椿近代画廊で展示されている。大湫町出身の彫刻家・天野裕夫さん(70)の個展で、100点余りが展示されている。現在創作している高さが約10メートルのウサギの塔「兎(う)塔」の習作にあたる木彫5点も含まれている。25日まで。
天野さんは東京都内の美術大学に進学後、相模原市内で作品制作を続けてきたが、2018年6月、大湫町に移り住んだ。
Uターンのきっかけは、子どものころの遊び場だった神社の境内にそびえる、樹齢670年、高さ約40メートルのご神木である大杉だった。
2013年に郷里の父親から、雷で被災した大杉の枝の一部が切り落とされ、焼却処分されることになった、と聞いた天野さんは、彫刻の素材に活用できないかと思い立ったという。
相模原市内の工房で、大杉の枝を生かした作品を作り始め、大杉の枝から生まれた、独特の味わいの木彫は大きな評判を呼んだという。大湫町に移ったタイミングで、工房も郷里に移した。
だが、その後、地域のシンボ…