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炎と白煙を上げる尾根に向けて放水するヘリコプター=2025年3月24日午前7時43分、愛媛県今治市、堀江泰史撮影

 岡山・愛媛両県で23日午後、山火事が発生し、半日以上たった24日朝も延焼が続いている。けが人の情報はないが、多くの世帯に避難指示が出ている。鎮火の見通しは立っておらず、両県は自衛隊に派遣を要請するなど対応にあたっている。

 岡山では午前7時の時点で、岡山市南区飽浦(あくら)と宮浦地区の403世帯893人に避難指示が出ている。市消防局などによると、両地区の民家や倉庫など計6棟が焼損する被害が出ており、岡山県玉野市にも燃え広がり、焼失面積は約250ヘクタールに拡大。岡山県は24日、陸上自衛隊にヘリの出動を要請し、地上と上空から消火活動にあたっている。けが人の情報は入っていないという。

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山火事の現場
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山の複数箇所から煙があがっていた=2025年3月24日午前10時47分、岡山市南区、朝日新聞社機から、川村直子撮影

 岡山地方気象台によると、23日午後3時時点の岡山市内の湿度は26%と乾燥していた。24日は岡山県南部は正午からの24時間に最大5ミリの雨が降ると予想されている。県南部では乾燥注意報が発令中という。

 同区の岡山市立光南台中には避難所が開設され、13人が避難している。会社員の山本洋士さん(41)は23日に知人からの連絡を受けて窓の外を見ると、山から煙が上がっていた。「火が近づいてきて、やばいと思って避難した」。「自宅が焼けないように、みんなが困らないようにと本当に不安でいっぱい」と顔を曇らせた。

 一方、愛媛県災害対策本部によると、火の手は今治市長沢地区から西方向に拡大。焼損面積は24日午前9時20分時点で約128ヘクタールにまで広がった。住宅への被害は確認されていないが、消防団員の70代男性が出動中に転倒し、軽傷を負ったという。

 同本部によると、県消防防災ヘリ1機が同7時ごろから散水を開始し、徳島県のヘリと交代で消火にあたっている。愛媛県からの災害派遣要請を受け、自衛隊のヘリ2機も消火活動にあたっている。

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愛媛県の山火事現場
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簡易ベッドなどが持ち込まれ、約10人が自主避難した孫兵衛作公民館=2025年3月24日午前9時20分、愛媛県今治市孫兵衛作甲、堀江泰史撮影

 今治市は23日午後8時40…

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