松商学園―岡山学芸館 試合に勝利し、校歌を歌う岡山学芸館の選手たち=いずれも阪神甲子園球場、西岡臣撮影

 第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に2年連続出場した岡山学芸館。「ベスト8以上」の目標を掲げたが壁は厚かった。大会を通じた戦いぶりなどを振り返る。

 選手たちが大阪入りしたのは3日。対戦相手が決まると連日、近畿圏でのグラウンド練習のため、長くて片道1時間半、バスに揺られた。練習後は疲れを癒やそうとオレンジジュースを口にした。

 長い宿舎生活で、体調維持に気を使っていた。初戦の松商学園(長野)戦後は温泉につかるなど体を休めてリラックスする時間も設けられた。

 ベスト8をかけた勝負は0―14と大差がついた。試合後のインタビューで佐藤貴博監督は開口一番「完敗でした」。プロ注目の長身投手対策として、ピッチングマシンのかさを上げて打ち込んでいたが、この長身投手からは4番繁光広翔選手(2年)の単打1本のみに終わった。

 初戦先発のエース左腕・青中陽希投手(3年)に疲れが残っていたこともあり、吉井翔悟投手(3年)が夏初先発。青中投手を含め5人の投手をつぎ込んだが、鋭い振りでどんな球にも対応されてしまった。

 守備面では随所に光るプレーがあった。初戦の二回、1死一、三塁の場面で初球スクイズを見破った。相手の戦力や特徴を分析する「データ班」の部員の力が大きかった。

 四回には又吉涼太郎二塁手(3年)が鋭い打球を横っ跳びで好捕しゴロアウトに。2戦目の四回には、阿慶田庵俐中堅手(3年)が遊撃後方近くのフライを体を投げ出して好捕した。好守のたびに甲子園はどよめきと拍手に包まれた。

 全国トップクラスのチームとの差を痛感した大会。2戦目はベンチ入り20人中19人が出場した「総力戦」で、新チームで主力となる多くの2年生が甲子園を経験できた。繁光選手は初戦で八回の適時打を含む3安打の活躍をし、中軸としてさらなる成長が期待される。

 佐藤監督は「全てにおいてレベルアップしないと、この壁は越えられない」。巻き返しを図ることを誓った。

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