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3年生部員らに語りかける岡山学芸館の佐藤貴博監督(左)=2024年8月18日、岡山県瀬戸内市、大野宏撮影

 第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)での戦いを終えた岡山学芸館は18日、約2週間を過ごした大阪市内のホテルを出て、岡山県瀬戸内市のグラウンドに帰り、ミーティングをした。

 佐藤貴博監督は3年生部員と甲子園に帯同した1、2年生らを前に「岡山大会開幕から1カ月ちょっと試合ができた幸せを感じている」と切り出した。

 「去年の秋や今年の春にベンチに入った3年生が、夏は何人か外れた。しんどかったと思うけど、本当にいい顔をしてメンバーを支えてくれた」とたたえた。感謝の言葉を伝えた中には、ベンチ入りしなかった控え投手の福岡樹(3年)の名前もあった。

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 「福岡、何分欲しい?」。この夏、試合会場へバスが走り出すと、監督はそう声をかけたという。

 福岡は座席でマイクを握り「DJタイム」を始め、昨年卒業した先輩や岡山に残って1、2年生の練習を手伝っている同級生の動画メッセージを流したという。自身では小学生の頃から磨いてきた「ヒューマンビートボックス」を披露したこともあるといい、佐藤監督は「いろんなことを考えてリラックスさせてくれた」と感謝する。

 福岡は昨秋は3試合に登板したが、今春と夏はベンチ外。甲子園にはサポートメンバーとして同行した。でも「(車内DJを)3回もやらしてもらえた。楽しいことばかり、最高の3年間でした」。野球には区切りを付け、スポーツトレーナーなどを目指すという。

 佐藤監督は「僕が学芸館に来て十数年、今年の3年生が一番まとまりがあった。残してくれた財産を新チームにいかすことが必要」と甲子園に帯同した1、2年生に自覚を求めた。新チームは9月1日、公式戦の初戦に臨む。(大野宏)

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