後楽園で池田家のお殿様が食べた料理を味わってみませんか――。岡山県などからなる後楽園魅力向上委員会は、岡山藩主が岡山後楽園で食べた料理を再現・アレンジし、岡山市内のホテルなどで提供を始めたと発表した。
委員会は文献資料「御後園諸事留帳(ごこうえんしょじとめちょう)」で、当時藩主が食べた料理を調査。アワビやタイ、長芋を蒸したり煮たりしてみそで味付けした「敷味噌(みそ)」や、ブリの切り身を鍋で砂糖、しょうゆ、酒を入れて煎り焼きにした「御焼物」など全41品からなるレシピ集「岡山後楽園 殿様の御馳走帖(ごちそうちょう)」を刊行した。食材や調理法など料理の特徴を解説し、江戸時代の藩主の食生活などについても紹介している。
刊行後、県内の飲食店から「本のレシピを使いたい」という問い合わせが寄せられたことから、委員会が各店の料理を「認定」することで利用できるようにした。
認定を得るには、御馳走帖に掲載している献立を1品以上入れる▽掲載している食材を使う▽料理名を「岡山後楽園殿様御膳」か「岡山後楽園殿様の御馳走帖」とする▽料理名にふさわしい盛りつけやパッケージ▽継続して提供できる料理や弁当である、という「五箇条」を設けた。
料理の提供を始めたのは、ANAクラウンプラザホテル岡山(岡山市北区)▽ホテルグランヴィア岡山(同)。近く提供を始めるのは荒手茶寮(同)▽岡山プラザホテル(岡山市中区)。料理は各店で異なり、5500円~1万43円(いずれも税、サービス料込み)。事前予約が必要な店もある。
委員会事務局は「当時は今より調味料も限られ、味付けやだしの取り方が異なる。当時に思いをはせながら味わって欲しい」としている。委員会は認定店を増やす意向で、提供店を募っている。
問い合わせは、JTB岡山支店内の岡山後楽園和の感動体験事務局(086・231・5633)へ。(上山崎雅泰)