11月17日投開票の岡山県新見市長選をめぐり、車上運動員に法定の上限を超える報酬を支払ったとして、県警は19日、戎(えびす)斉(ひとし)・前新見市長(68)と妻を公職選挙法違反(買収)の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。2人は容疑を認めているという。
捜査関係者によると、戎・前市長らは、市長選の選挙運動期間(11月10~16日)中に選挙カーに乗るなどした運動員の女性2人に対し、同法に基づく規定で定められた日当1万5千円を超える報酬を支払った疑いがある。
戎・前市長は、朝日新聞の取材に「1万5千円で引き受けてくれる人はなかなかおらず、代わりを探すのも難しかった。苦渋の選択だった」と話した。県警は運動員2人についても同法違反(被買収)容疑で書類送検した。
戎・前市長は2020年の市長選で初当選。今年11月の市長選に2期目を目指して無所属で立候補したが、新顔候補に304票差で敗れていた。