岩手県大船渡市三陸町綾里の山林火災は、発災から一夜明けた20日朝、消火活動が再開したが、鎮圧のめどはたっていない。火が標高の高いところに点在しており、消火活動は難航している。けが人や住宅への被害は出ていない。市は地区内のコミュニティー施設を自主避難所として開き、午後7時時点で4世帯6人が避難している。
市防災管理室によると、焼失面積は20日午後7時現在で約36ヘクタールとなり、さらに延焼中だ。現場から北に約1キロには集落があり、約60世帯約160人が住む。
20日は地元の消防など約280人、消防車両など45台が出動し、地上から消火活動にあたった。また自衛隊、岩手県、宮城県のヘリ計7機が空中から散水した。
気象庁によると、大船渡市には乾燥注意報が発令されている。
近くに住む女性(83)は19日夜、すぐに避難できるよう枕元に貴重品などを置いて就寝した。「風向き次第で火がこっちに来るかもしれない。雨や雪も降らないし、今夜も燃え続けると思うと不安。とにかく火が消えてほしい」と話した。
20日の記者会見で渕上清市長は「安全な消火活動で、鎮圧鎮火を目指す。住民のみなさんも火災の予防活動は引き続き行ってほしい」と呼びかけた。