発災から一夜明けても白い煙が立ち上る山林=2025年2月20日午後0時44分、岩手県大船渡市三陸町綾里、松尾葉奈撮影

 岩手県大船渡市三陸町綾里の山林火災は、発災から一夜明けた20日朝、消火活動が再開したが、鎮圧のめどはたっていない。火が標高の高いところに点在しており、消火活動は難航している。けが人や住宅への被害は出ていない。市は地区内のコミュニティー施設を自主避難所として開き、午後7時時点で4世帯6人が避難している。

 市防災管理室によると、焼失面積は20日午後7時現在で約36ヘクタールとなり、さらに延焼中だ。現場から北に約1キロには集落があり、約60世帯約160人が住む。

 20日は地元の消防など約280人、消防車両など45台が出動し、地上から消火活動にあたった。また自衛隊、岩手県、宮城県のヘリ計7機が空中から散水した。

 気象庁によると、大船渡市には乾燥注意報が発令されている。

 近くに住む女性(83)は19日夜、すぐに避難できるよう枕元に貴重品などを置いて就寝した。「風向き次第で火がこっちに来るかもしれない。雨や雪も降らないし、今夜も燃え続けると思うと不安。とにかく火が消えてほしい」と話した。

 20日の記者会見で渕上清市長は「安全な消火活動で、鎮圧鎮火を目指す。住民のみなさんも火災の予防活動は引き続き行ってほしい」と呼びかけた。

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