海の中に立ち、ぐるぐると回る風車。右を見ても、左を見ても、ずっと先まで連なって立つ。「鹿島臨海部」と呼ばれる茨城県南東部の太平洋沿岸は、風が強く吹き、海は遠浅、送電網が充実しており、好条件がそろった洋上風力発電の一大拠点だ。
4月、神栖市南浜に洋上風車で作業する人を対象とした安全訓練施設がオープンした。施設名は「ウィンド・パワー・トレーニングセンター」。洋上風車に特化した訓練施設は日本では珍しいそうだ。どんな訓練をしているのか、様子を見学させてもらった。
洋上風力発電の風車は岸から1~数キロ離れた場所にあることが一般的で、水面から100メートルほどの高さで作業することもある。非常事態が起きても救助隊が簡単にはたどり着けない場所だ。
そのためトレーニングセンターは、洋上風車に登る可能性のある人たちが緊急時に安全に風車から脱出し、海の上でも生き延びられるようにと訓練を実施している。受講生は、建設作業員や保守点検をする作業員、保険会社の会社員などと様々だ。
訓練は、高さ8メートルのは…