大久野島に生息するウサギ=2023年8月12日、広島県竹原市、大野晴香撮影

 「ウサギの島」で知られる広島県竹原市の大久野島でウサギを蹴ったとして、動物愛護法違反の疑いで現行犯逮捕された会社員の男(25)=大津市=が、「昨年10月から何回か同じようにウサギを足で蹴った」と供述していることが広島県警への取材でわかった。

 環境省によると、島内では昨年11月下旬~今年1月中旬、77匹のウサギが死んでいるのが確認されたといい、県警が関連を慎重に捜査する。

 県警竹原署によると、男は21日午後5時半ごろ、大久野島の遊歩道でウサギを蹴った疑いで現行犯逮捕された。近くではウサギが1匹死んでいたといい、目撃者が男を取り押さえたという。「ウサギがかわいいと思う半面、いじめたらどんなリアクションをするのか気になった」とも供述しているという。

 島は瀬戸内海に浮かぶ周囲約4キロの小島で、旧日本軍の毒ガス工場跡があることでも知られている。

 環境省中国四国地方環境事務所によると、島には約500匹が生息。死骸は、昨年11月26~28日に13匹▽12月17、18日に19匹▽今年1月9~12日に45匹が確認された。死因はわかっていないが、うち1割が骨折していたといい、出血の跡がある死骸もあった。担当者は「短期間でこれほどの死骸が見つかるのは不自然」と話している。

 竹原署は環境省からの相談を受け、島内に設置された防犯カメラ映像などの確認を始めていたという。

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