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島根大産学協創インキュベーションセンター=2025年4月21日午後3時33分、松江市、垣花昌弘撮影

 島根大学の松江キャンパス(松江市)に、地域のものづくりの拠点となる産学協創インキュベーションセンターが完成し、21日に竣工(しゅんこう)記念式典があった。金属など材料科学分野の教育、研究、社会課題解決のための施設として期待される。

 島根大は、かつてたたら製鉄で栄え今も特殊鋼などの材料関連産業が集まる島根の地域特性を生かそうと、材料科学分野でのさまざまな取り組みを進めている。

 インキュベーションセンターは、教員や高度技能職員らでつくる先端マテリアル研究開発協創機構が運営する。地元企業などからアイデアの提供を受け、設計から試作、分析・評価までワンストップで手がけ、安価で多品種少量生産が可能となる。

 鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ約2千平方メートル。総工費約8億4千万円。

 大谷浩学長は「さまざまなアイデアを具現化し、将来性や有用性の確認、実証までを支援するので、産業界の皆様には地域の研究開発・試作センターとして活用してほしい」。三浦英生機構長は「単体での投資が難しい、専門家がいない、といった相談を含め、(企業に)遠慮なく大学に来ていただきたい」と話す。

 また、2023年度に新設された材料エネルギー学部(入学定員80人)の学部棟も併せて完成した。鉄筋コンクリート造り5階建て、延べ約4千平方メートル。講義室や学生実験室などを備える。総工費は約16億8千万円。

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