カナダで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)にあわせ現地時間16日午後(日本時間17日未明)に行われた石破茂首相とトランプ米大統領の首脳会談は、関税を巡る合意には至らなかった。今回の会談で「一定の合意」を得るという日本側が描いたシナリオは実現せず、トランプ米大統領の出方がつかめない不確実な状況は今後も続く。関税交渉決着の見通しの不透明性は増している。
会談後、首相は記者団に対し、「(日米双方が)ぎりぎりまで交渉の可能性を探っているところだ」と述べたうえで、「今なお双方の認識が一致していない点が残っているので、パッケージ全体としての合意には至っていない」と語った。
慌ただしさの際立つ会談だった。会談の開催が現地で取材する報道陣に伝えられたのは、会談終了から約1時間20分後。通常、首脳会談の開始や終了は現地の報道陣に即座に伝えられるものであり、異例の政府対応となった。中東情勢や米国内の抗議活動などで多忙を極めるトランプ氏との会談日程が「直前まで決まらなかった」(政府高官)影響が大きかったとみられる。
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