東京電力ホールディングスが柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた準備を整えつつある。昨春の7号機に続いて、10日には6号機の原子炉にも核燃料を入れ始めた。技術的には、いつでも動かせるようにしておくねらいだが、東電の思惑どおりには進まなそうだ。

 同原発は1~7号機の七つの原子炉があり、そのなかでは新しくて出力も大きい6、7号機の再稼働をめざしてきた。再稼働にはまず原子力規制委員会の審査が必要で、7号機は2020年に、6号機は25年2月にすべての審査を終えた。

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柏崎刈羽原発1~5号機

 東電は、原発が1基動けば火力発電の燃料費を減らせるため、年1千億円の収支を改善できるとする。福島第一原発事故の巨額の処理費用を抱え、資金繰りが急速に悪化するなかで、まずは7号機の再稼働を優先してきた。

 だが、21年にはテロ対策の…

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