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写真集「続 タウシュベツ川橋梁」掲載の一枚。湖面の水位上昇が遅かった年、湖面に「けあらし」が立ちこめる中たたずむタウシュベツ川橋梁=2023年10月26日、岩崎量示さん提供
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 ダム湖の水位変化で見え隠れするため「幻の橋」と呼ばれる北海道上士幌町の旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」。その橋を20年近くにわたって撮り続けてきた地元の写真家がいる。

 十勝在住の写真家・岩崎量示さん(45)。撮り始めたのは、2005年7月末。立教大学卒業後、上士幌町のペンションで働き始めた頃だ。

 当時、橋は無名だったが、地元では「崩落間近」とささやかれていた。岩崎さんは「記録のために」と、週2~3回の頻度で通うようになった。

 東大雪の雄大な自然に抱かれた橋は、撮影する時間や天気、季節によって様々な情景をみせた。湖面の水位変化も年によって違う。「同じ風景が撮れることがなかった。まったく飽きることはなかった」

 いつしか、戦前に地元の石や砂を使って造られた橋が、自然の中でゆっくりと朽ち、元の砂にかえっていく姿を、最後まで見届けたいと思うようになっていた。

 7月末、写真集「続 タウシ…

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