作家の川上弘美さん=2016年

 世界的に権威のある英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳部門にあたる「国際ブッカー賞」の今年の最終候補6作品が8日(現地時間)発表され、川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」(講談社文庫)の英訳版「Under the Eye of the Big Bird」(アサ・ヨネダ訳)が入った。近未来を舞台に、滅亡の危機にさらされた人類の姿を描いた幻想小説で、2016年の泉鏡花文学賞を受けている。日本の作家の作品が最終候補に残るのは2022年の川上未映子さん「ヘヴン」以来。20年には小川洋子さんが「密(ひそ)やかな結晶」で候補となったが、いずれも受賞は逃している。今年の受賞作の発表は5月20日(現地時間)の予定。

 国際ブッカー賞は05年に創設。1969年から続く本賞のブッカー賞とともに英国かアイルランドで1年間に出版された作品が対象となる。本賞は英語作品、国際賞は他言語から英語に訳されたものが選ばれる。過去には昨年のノーベル文学賞を受けた韓国のハン・ガンさんらが受賞している。

共有
Exit mobile version