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小林製薬大阪工場=2024年3月28日午後0時54分、大阪市淀川区三津屋南3丁目、金子智彦撮影
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 小林製薬の紅麴(べにこうじ)原料を使ったサプリメントをめぐる健康被害の原因について、厚生労働省は28日、原料の培養段階で青カビが混入したと推定されると発表した。本格的な解明はこれからだが、製造過程で起きた何らかのミスが原因だった可能性が高まった。

 小林製薬は2016年、グンゼから事業譲渡を受けて紅麴原料の製造を大阪工場(大阪市)で始めた。それまで麴を扱った経験はなく、グンゼから設備や技術者の提供を受けた。

 原料製造では、まず米に紅麴菌を植え付けて培養し、加熱・粉砕する。それを成分が一定になるように混ぜ合わせる。こうしてできた紅麴原料は、自社のサプリに使ったり他社に販売したりしていた。

 28日の厚労省の発表によると、健康被害を引き起こした可能性のあるプベルル酸を含む計3種類の物質は、いずれも青カビが介在。その青カビが大阪工場の種菌培養室や、今年から生産を引き継いだ和歌山工場の培養タンクのふた、乾燥室などから見つかった。ただ、青カビが培養段階のどこで混入したのかは、現時点ではわかっていないとしている。

 同社によると、紅麴の製造に携わっていた従業員は5~6人。従業員には最低月1回の衛生管理教育を行い、管理者が定期的に巡回して衛生状態を確認していたという。

 また、同社の山下健司・製造…

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