(23日、プロ野球 読売ジャイアンツ4―1横浜DeNAベイスターズ)
これぞ、4番の働き。
プレーだけではなく、周囲への振る舞いもだ。
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五回。巨人の岡本和真が、DeNAの石田裕太郎が投じた外角のシンカーをバットでとらえる。打球を左翼席最前列付近に運んだ。チーム初安打となる、価値ある先制ソロ。
「形はよくなかったかもしれないが、ホームランになってくれてよかった」と淡々と話した。
さらに七回1死。
29歳の右打者は、石田裕の真ん中に入ってきた甘い変化球を強振した。
「2本目の方が、しっかりとらえられた。良いバッティングができた」。バックスクリーン左にたたきこみ、2打席連続の一発で追加点をもたらした。
5月の左ひじ負傷から8月16日に復帰して以降、初めて本塁打を放った前日に続く2試合連続アーチ。
調子は、かなり上向いている。
ただ、本人は自らのことは多弁しない。
口をついて出てくるのは若手への思いだ。
この日は、約3カ月勝ち星のなかった24歳の井上(温大(はると))が登板。「温大が頑張って投げていたので(打てて)よかった」。
先発メンバーで自身より年上なのは30歳の吉川尚輝と32歳の甲斐拓也だけだった。
「みんなが頑張って今の位置(リーグ2位)にいる」。
生え抜き11年目。全体をもり立てることを忘れない。
岡本がチームに戻って貢献しているのは、打撃だけではない。
リーダーは、巨人の結束力を高めている。
井上(巨) 六回途中無失点で5月21日以来の勝利。「野手に助けられながら、なんとか0点に抑えることができた。感謝したいです」